2026年7月2日 更新

ー監修者ー
村田アグネス彩(むらたあぐねすさや)株式会社ワンコ・ワークス 店長。現場での経験をもとに、「犬にとって本当に負担にならないか」「暮らしの中で無理なく使い続けられるか」という視点で、犬関連商品の監修に携わっている。
老犬にとって毎日使う犬ベッドは、健康的な暮らしを支える大切な環境のひとつです。高齢になると筋力や関節機能が低下し、寝起きのしにくさ、床ずれ、皮膚トラブル、おもらしなどの悩みが出やすくなります。
目次
1. 老犬介護で犬ベッドが重要になる理由とは?
老犬介護では、食事やトイレのサポートだけでなく、毎日長い時間を過ごす犬ベッドの環境を整えることも重要です。
犬は高齢になると筋力や関節機能が低下し、活動量が減少する傾向があります。睡眠時間も若い頃より長くなり、寝て過ごす時間が増えるため、身体を支える老犬ベッドの性能が生活の快適さに大きく影響します。
寝たきりに近い状態になると、床ずれや皮膚トラブル、おもらしなどの悩みも生じやすくなります。犬ベッド選びは、愛犬の快適さだけでなく、介護する飼い主の負担軽減にもつながります。
関節や足腰への負担で寝起きがつらくなる
老犬になると、関節や足腰への負担によって寝起きが難しくなることがあります。犬は加齢とともに筋肉量が減少し、関節の柔軟性も徐々に低下します。
以前は問題なく立ち上がれていた愛犬でも、シニア期に入ると寝起きに時間がかかったり、フローリングで足を滑らせたりするケースがあります。
一般的に犬の睡眠時間は成犬で12〜14時間程度といわれていますが、高齢犬では16〜18時間以上眠ることもあります。そのため、長時間身体を預ける犬ベッドは、クッション性や体圧分散性、起き上がりやすさを考えて選ぶことが大切です。
関連記事:犬の平均的な睡眠時間とは|年齢・犬種による違いについても解説
寝たきりによる床ずれや皮膚トラブル

寝たきりの老犬では、床ずれや皮膚トラブルへの配慮が必要です。
床ずれは、身体の同じ部分に長時間圧力がかかることで血流が滞り、皮膚や組織に負担がかかる状態を指します。特に肩・肘・腰など骨が出ている部分は圧力が集中しやすいため注意が必要です。
また、高齢犬では皮膚がデリケートになりやすく、おもらしやよだれによる湿気が加わることで皮膚トラブルが発生する場合もあります。体圧を分散しやすい老犬ベッドを選び、定期的に身体の向きや皮膚の状態を確認しましょう。
おもらし対策がしやすいベッド環境を整える
老犬介護では、おもらしに対応しやすいベッド環境を整えることも大切です。
高齢になると筋力の低下や病気の影響により、トイレまで移動することが難しくなったり、排泄のタイミングを自分で伝えられなくなったりする場合があります。そのため、寝床が汚れる機会も増える傾向があります。
介護用ベッドでは、防水シートやトイレシートを活用し、洗濯しやすいカバーやブランケットを重ねて使用すると、お手入れの負担を軽減しやすくなります。
毎日のお手入れを無理なく続けるためにも、カバーを取り外して洗濯できる犬ベッドや、防水性のある素材を選ぶことが介護生活では役立ちます。
温度・湿気管理で快適な睡眠環境を保つ
老犬介護では、ベッド周辺の温度や湿気にも配慮しましょう。
高齢犬は体温調節機能が低下しやすく、若い頃より寒さや暑さの影響を受けやすくなります。特にエアコンを使用している室内では、冷たい空気が床付近にたまりやすく、ベッド周辺だけ温度が低くなっていることもあります。
そのため、人が快適と感じる室温でも、愛犬にとっては寒すぎたり暑すぎたりする場合があります。時々ベッドの高さまでしゃがみ、実際の温度や風の当たり方を確認すると安心です。
また、長時間同じ場所で寝ていると熱や湿気がこもりやすくなるため、通気性の良い犬ベッドや季節に合わせたカバーを選ぶことも、快適な睡眠環境づくりにつながります。
老犬ベッドを見直すタイミング

老犬介護は、寝たきりになってから始めるものではありません。
・寝ている時間が増えた
・立ち上がるのに時間がかかる
・フローリングで滑る
・段差を避けるようになった
などの変化が見られたら、犬ベッドを見直すタイミングです。早めに体圧分散性やクッション性に優れた老犬ベッドへ切り替えることで、身体への負担を軽減し、床ずれ予防や快適な睡眠環境づくりにもつながります。
2.老犬介護に適した犬ベッド(老犬ベッド)の選び方

老犬介護では、見た目や価格だけでなく、体圧分散性・高さ・サイズ・通気性・防水性・洗濯のしやすさを総合的に確認することが大切です。ここでは、介護用犬ベッドを選ぶ際に確認したいポイントをご紹介します
体圧分散性とクッション性で身体への圧力を分散する

寝たきりの老犬は同じ姿勢で過ごす時間が長くなりやすく、肩・腰・肘など身体の一部分へ圧力が集中しやすくなります。特に大型犬や体重の重い犬は、薄いマットでは身体を十分に支えられない場合があります。
体圧分散性の高い犬ベッドは、肩・肘・腰など一部分に集中しやすい圧力を身体全体へ分散しやすく、長時間寝た姿勢でも身体への負担を軽減しやすくなります。床ずれ(褥瘡)の予防を考えるうえでも、体圧分散性は老犬ベッド選びで重視したいポイントです。
また、「柔らかいベッドほど良い」と思われがちですが、沈み込みが大きすぎると筋力が低下した老犬では立ち上がりにくくなることがあります。高反発・低反発のどちらにもメリットがありますが、重要なのは「適度な反発力」です。身体が沈み込みすぎず、無理なく寝返りや立ち上がりができる犬ベッドを選びましょう。
小型犬・中型犬・大型犬別に適したサイズを選ぶ
介護用の犬ベッドは、愛犬の体格に合ったサイズを選ぶことが重要です。
サイズが小さすぎると身体を十分に伸ばせず、寝返りや姿勢の調整がしにくくなる場合があります。一方で大きすぎると身体が安定せず、落ち着いて休めない犬もいます。
一般的には、小型犬は身体の長さに10cm程度、中型犬・大型犬は15〜20cm程度の余裕を持たせると寝返りしやすくなります。
購入前には実際の体長や体重を確認し、寝返りしやすい余裕のあるサイズを選びましょう。
犬ベッドサイズを確認する:ベッドのサイズにお悩みですか? |【公式】アンビエントラウンジ
犬ベッドにのぼりやすい高さ・段差を選ぶ

老犬介護では、犬が無理なく乗り降りできる高さのベッドを選ぶことも大切です。
シニア犬になると関節や筋肉の衰えにより、寝た状態から立ち上がる動作や段差の昇り降りが難しくなることがあります。そのため、ベッドの高さや縁が高すぎると足を引っ掛けたり、乗り降りの負担が大きくなったりする場合があります。
小型犬やコーギーなどの短足犬種では低めのベッド、大型犬では身体をしっかり支えながらも乗り降りしやすい高さのベッドが選ばれる傾向があります。
通気性のある犬ベッドを選ぶ
介護用犬ベッドでは、通気性も確認しておきたいポイントです。老犬は長時間ベッドの上で過ごすことが多いため、通気性が低いと熱や湿気がこもり、不快感につながる場合があります。特に夏場や梅雨時期は、熱や湿気がこもりにくい犬ベッドを選ぶと安心です。
丈夫でへたりにくい犬ベッドを選ぶ
老犬介護は長期間続くこともあり、毎日同じ場所で寝ているとクッション性が低下しやすくなります。ベッドがへたると身体を十分に支えられず、体圧が一部分に集中しやすくなります。
特に大型犬や体重の重い犬ではベッドへの負荷も大きいため、耐久性の高い素材や、長期間使用してもクッション性を維持しやすい犬ベッドを選ぶことが大切です。
また、カバーやフィリングを交換できるタイプであれば、ベッド本体を長く使い続けられるため、介護期間が長くなった場合でも快適な寝心地を維持しやすくなります。
防水・洗濯可能なカバーで清潔を保つ
介護用犬ベッドでは、防水性と洗濯のしやすさも重要です。
高齢犬や寝たきりの犬では、おもらしやよだれなどによってベッドが汚れる機会が増えることがあります。そのため、取り外して洗濯できるカバーや防水カバーがあると、清潔な状態を維持しやすくなります。
介護は数か月から1年以上続く場合もあるため、毎日のお手入れが負担になりにくい構造を選ぶことが大切です。可能であれば、生地サンプルなどで素材や触り心地を確認し、愛犬に合った犬ベッドを選ぶと安心です。
3.老犬の床ずれ【褥瘡(じょくそう)】の注意点・ケア方法
老犬が寝たきりになると、長時間同じ姿勢で過ごすことで床ずれが発生しやすくなります。床ずれを予防するには、体圧分散性の高い老犬ベッドを選ぶことに加え、日頃のケアも欠かせません。ここでは、老犬介護で実践したい床ずれ予防のポイントをご紹介します。
定期的に寝返りをサポートする
床ずれを予防するためには、2〜3時間おきを目安に寝返りをサポートし、同じ部位へ圧力が集中し続けないようにすることが大切です。
また、丸めたタオルやクッションを身体の横へ置くことで、無理のない姿勢を保ちやすくなります。
体位を変える際は、犬のお腹が上を向く状態ではなく、身体を横向きに保ちながらゆっくりと体勢を変えるようにしましょう。無理に体を動かすと、愛犬へ負担がかかる場合があるため注意が必要です。
軽いマッサージで血流を促す
寝たきりの状態が続くと血流が滞りやすくなるため、身体をやさしくさすったり、無理のない範囲で手足をゆっくり動かしたりするケアも役立ちます。
ただし、床ずれができている部分を強く押したり、体や関節を無理に動かしたりするマッサージは、痛みや症状の悪化につながる可能性があります。愛犬の様子を見ながら、負担の少ない範囲で行うことが大切です。
被毛や皮膚を清潔に保つ
排尿や排便、おもらし、よだれなどで皮膚や被毛が汚れたままになると、湿気や細菌の繁殖によって床ずれや皮膚トラブルが悪化することがあります。
汚れた部分はぬるま湯やペット用ウェットシートなどでやさしく拭き取り、皮膚を清潔な状態に保ちましょう。防水シートや洗濯できるカバーを活用すると、お手入れの負担も軽減できます。
また、傷口が化膿している場合や出血・強い炎症が見られる場合は、自宅で無理に処置をせず、早めに動物病院を受診しましょう。
参考記事:犬や猫の床ずれ(褥瘡)はどうしたらいい?なぜなるの?疑問にお答えします
4.老犬の介護用犬ベッドを手作りする方法
市販の介護用犬ベッドだけでなく、自宅にある材料を使って、老犬ベッドを手作りする方法もあります。
手作りベッドは、愛犬の体格や身体の状態に合わせてサイズや高さを調整しやすく、費用を抑えやすい点がメリットです。一方で、体圧分散性・耐久性・防水性は、市販の介護用犬ベッドの方が優れている場合もあります。
身近な材料を使って介護ベッドを手作りする
手作りの介護ベッドは、自宅にあるタオルや毛布、クッションなどを使って作ることができます。
まずは床の冷えを防ぐためにウレタンマットやペット用マットを敷き、その上にタオルや毛布を重ねてクッション性を確保します。さらに、丸めたタオルやクッションを身体の左右に置くことで姿勢を安定させやすくなります。
大型犬の場合は、体重をしっかり支えられるよう厚みのあるマットを使用すると安心です。
防水シートを活用してお手入れしやすくする
老犬介護では、おもらしやよだれなどでベッドが汚れることも少なくありません。
ベッドの上に防水シートやトイレシートを敷き、その上へタオルやブランケットを重ねることで、汚れた部分だけを交換しやすくなります。洗い替え用のタオルを複数用意しておくと、毎日のお手入れもしやすくなるでしょう。
長期間の介護や寝たきりの状態が続く場合は、体圧分散性・耐久性・防水性に優れた市販の介護用犬ベッドも検討しましょう。
4.老犬介護に適した犬ベッドで快適な睡眠環境を整えよう

老犬介護では、愛犬の体格や身体の状態に合わせて、体圧分散性・通気性・耐久性・防水性・洗濯のしやすさを備えた犬ベッドを選ぶことが大切です。
アンビエントラウンジのペットラウンジは、体圧分散性に優れた厚みのあるフィリングと、取り外して洗濯できるカバーを採用しています。さらに、小型犬から大型犬まで対応する豊富なサイズ展開や、交換可能なカバー・フィリングにより、愛犬の成長や介護期間に合わせて長くご使用いただけます。
愛犬が安心して眠れる環境を整えることは、シニア期を健やかに過ごすための大切な準備のひとつです。老犬介護が必要になる前から、愛犬の身体に合った犬ベッドを選び、快適な睡眠環境を整えてあげましょう。