最終更新日:2026年5月15日
猫との暮らしは喜びに溢れる一方で、毎日の抜け毛掃除に負担を感じている飼い主も多いのではないでしょうか。特にペットがくつろぐベッドは抜け毛が絡みやすく、粘着ローラーを使っても繊維の奥に入り込んだ毛を取り除くのは容易ではありません。
本記事では、猫ベッドで毛がつきにくい素材の選び方や、日常のお手入れをスムーズにするポイントを詳しく解説します。愛猫の快適な居場所を整えながら、飼い主の掃除の負担を軽減し、家族みんなが心地よく過ごせる環境づくりの参考にしてください。
目次
1.猫ベッドで毛がつきにくいものを選ぶ重要性

猫ベッドを選ぶ際、デザインやクッション性に加えて「毛のつきにくさ」を考慮することは、ペットとの快適な暮らしを長く維持するために重要です。
掃除の手間を減らし、日常の負担を軽くできる
猫は換毛期に限らず、一年を通して抜け毛が発生します。一般的な起毛素材のベッドは繊維の隙間に毛が入り込みやすく、掃除機や粘着ローラーを使っても手入れに時間がかかりがちです。毛がつきにくい素材のベッドを選ぶことで、毎日の掃除にかかる労力を大幅に軽減できます。表面をサッと払う、あるいは軽く拭き取るだけで日常のお手入れが完了するため、忙しい飼い主にとっても実用的なメリットとなります。
抜け毛やほこりがたまりにくく、清潔を保ちやすい

参考記事:ペットの毛に悩まない部屋づくりのコツ
ベッドに抜け毛が蓄積すると、そこに皮脂やほこりが絡みつき、衛生環境を損なう原因につながることがあります。毛がつきにくい構造のベッドであれば、汚れの蓄積を防ぎやすくなります。結果として、愛猫が毎日触れる場所を清潔に保つことができ、家族全体にとって心地よい住環境の維持に役立ちます。
2.毛がつきにくい猫ベッドの素材の選び方

「毛がつきにくい」と一口に言っても、素材によってその特徴は異なります。商品選びの際に確認しておきたい基本ポイントを整理します。
表面がなめらかな生地は毛が絡みにくい
凹凸の多い生地や毛足の長い素材は、繊維の隙間に猫の細い毛が入り込みやすくなります。一方で、表面がなめらかでフラットな生地であれば、毛が刺さりにくく、表面に乗っているだけの状態を保ちやすくなります。例えば、キャンバス地のようなサラッとした手触りのものは、手で軽く払うだけで抜け毛を落としやすいのが特徴です。
織り目が詰まった丈夫な生地は手入れしやすい
織り目が密に詰まった高密度な生地も、抜け毛対策に有効です。代表的なものに「オックスフォード生地(600Dなど)」が挙げられます。密度が高いため毛が繊維の奥に侵入しにくく、掃除機で吸い取る際もスムーズです。また、このような丈夫な生地は、猫が寝床を整えるために掘るような仕草をしても傷みにくいという耐久性の高さも備えています。
静電気が起きにくい素材や加工にも注目する
空気が乾燥する時期に抜け毛がベッドに張り付いてしまう原因の一つが「静電気」です。ポリエステルやフリースなどの化学繊維は静電気が発生しやすく、周囲の毛を吸い寄せてしまう傾向があります。静電気防止加工が施されているものや、綿(コットン)などの天然素材を含む生地を選ぶことで、静電気による毛の付着を抑えやすくなります。
撥水加工があると汚れも毛も落としやすい
撥水加工が施されたベッドは、水や汚れを弾くだけでなく、抜け毛の付着を防ぐことにも役立ちます。表面がコーティングされているため、毛が生地に絡む隙を与えません。万が一、猫が嘔吐や粗相をしてしまった際にも、サッと拭き取るだけで汚れが奥に染み込みにくく、日常のお手入れがスムーズになります。
3. お手入れしやすい猫ベッドを選ぶポイント
素材の特性に加えて、購入後の「洗いやすさ」や「乾きやすさ」も、継続的に清潔さを保つための重要な判断基準です。
洗濯機で丸洗いできるかを確認する
猫ベッドには、抜け毛だけでなく皮脂やよだれなど目に見えない汚れが付着します。そのため、自宅の洗濯機で手軽に洗えるかどうかは確認しておきたいポイントです。カバーを取り外して洗えるタイプであれば、洗濯機の容量を圧迫しにくく、こまめな洗濯がしやすくなります。
乾きやすい素材なら洗濯後の扱いが楽になる
厚手で中綿が一体化したベッドは、洗濯後に内部まで完全に乾くまでに時間がかかります。生乾きの状態が続くと、ニオイの原因になることもあります。速乾性のある素材や、カバーと中材(フィリング)を分けて干せる構造のものを選ぶと、天候に左右されにくく、洗い替えの負担も軽減できます。
洗う前に毛を取りやすい構造かも大切

洗濯機で丸洗いする前には、排水溝の詰まりを防ぐための「下処理」が必要です。縫い目の隙間や深い溝が少ないフラットな形状のベッドであれば、事前の毛取りがスムーズに行えます。具体的な手順として、まずは粘着ローラーやペット用ブラシで表面の毛を大まかに取り除きます。さらに、洗濯時には「ランドリースポンジ」を一緒に入れ、ご家庭の排水口には専用の毛玉キャッチャーを設置しておくと、洗濯機のエラーや排水溝のトラブルを予防しやすくなります。しかし洗濯機の機種(ドラム式など)によってはランドリースポンジが推奨されない場合があるため、事前に取扱説明書を確認しておきましょう。
猫の毛色に近い色を選ぶと見た目が気になりにくい
機能面に加えて、ベッドの「色」の選び方も掃除のストレスを和らげる工夫の一つです。黒猫やキジトラなど濃い色の毛並みの場合はダークトーンのベッドを、白猫などの場合は明るいトーンのベッドを選ぶと、多少抜け毛が落ちていても視覚的に目立ちにくくなります。インテリアとの調和も考慮しつつ、愛猫の毛色に合わせたカラーを選ぶのがおすすめです。
4. 毛がつきにくくても猫が快適に使えることが大切
飼い主にとって手入れがしやすい素材であっても、猫自身が安心して使ってくれなければベッド本来の役割を果たせません。猫の習性や快適性にも配慮した製品選びが求められます。
爪とぎや噛みつきに強い丈夫なつくりを選ぶ
猫は寝る前や起きた直後に、ベッドで爪とぎのような仕草をしたり、ふみふみしたりすることがあります。高密度のオックスフォード生地やキャンバス地は、毛がつきにくいだけでなく、爪の引っかかりによるほつれや破れに強いというメリットがあります。耐久性が高いベッドは長く使い続けることができるため、愛着を持って使用できる上質な選択肢となります。
音や肌ざわりに配慮し、猫が嫌がりにくい素材を選ぶ
高密度な生地や撥水加工が施された素材の中には、猫が動くたびに「シャカシャカ」という摩擦音が鳴るものがあります。聴覚が優れている猫は、聞き慣れない音や不自然な質感を警戒し、ベッドを使ってくれないケースも少なくありません。毛のつきにくさを確保しつつも、表面に微起毛加工が施されているものや、摩擦音が抑えられた静音設計の生地を選ぶことで、警戒心の強い猫でもくつろぎやすくなります。
クッション性や滑りにくさも安全性に関わる
子猫や、足腰の力が弱ってきたシニア猫にとって、ベッドへの乗り降りは負担になることがあります。(※健康状態に不安がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください)底面に滑り止め加工が施されているものなら、乗り降りの際にもベッドがズレにくく配慮されています。また、体が沈み込みすぎない適度な反発力のあるクッション(ウレタンフォームなど)は、自然な寝姿勢をサポートし、快適な休息を助けます。
ベッドに行くのに階段を上り下りしなければならない場合は、設置場所を一階に変える、複数個所に用意するといった配慮が必要です。また猫がお気に入りの高い場所に飛び乗れなくなったら、階段やスロープを作ったりして、猫が自分で安全にお気に入りの場所にたどり着けるように補助してあげることも良いでしょう。
参考記事:高齢猫にとって望ましい環境、高齢猫でありがちな問題 | 獣医師監修 ねこ病気事典
5.冬でも毛がつきにくい猫ベッドを選ぶ工夫

冬場は保温性の高いボア素材やフリース素材が好まれますが、これらは毛が絡みやすい傾向があります。暖かさと手入れのしやすさを両立するための工夫をご紹介します。
外側は毛がつきにくく、内側は暖かい仕様が便利
ベッド全体が起毛素材でできていると掃除に手間がかかりますが、外側(側面や底面)は毛がつきにくい高密度生地で、猫が直接触れる内側のトップ部分のみが保温性の高い素材で作られているタイプがあります。この構造であれば、抜け毛がつく範囲を最小限に抑えつつ、猫に心地よい暖かさを提供しやすくなります。
取り外せるカバーがあると季節に合わせて使いやすい
季節ごとにベッド本体を買い替えるのは収納場所を取り、猫にとっても自分の匂いがついた寝床が変わる負担になり得ます。ベースとなるベッドはそのままに、季節に合わせてカバーだけを取り替えられる製品を選ぶと便利です。冬は暖かなカバーを、抜け毛が増える換毛期や夏場は通気性が良く毛がつきにくいカバーを装着することで、一年を通して快適な環境を整えられます。
ペット用ヒーターとの併用で暖かさを補える

毛がつきにくいサラッとした素材のベッドを冬に使う場合、ペット用のヒーターや湯たんぽを併用して暖かさを補う方法も有効です。コードの通り穴が設計されているベッドであれば、ヒーターの配線もすっきりと収まります。素材の利便性を活かしつつ外部から熱源を加えることで、冬でも毛対策と防寒を無理なく両立できます。
6.今ある猫ベッドを活かして毛対策をする方法
新しいベッドに買い替えるだけでなく、現在愛用しているベッドを活かしながら抜け毛対策を行うことも可能です。
毛がつきにくいカバーやシーツを追加する
愛猫がお気に入りのベッドをそのまま使いたい場合は、「猫の毛 つきにくい ベッドカバー」やペット用シーツを上からかけるのが手軽な方法です。専用のカバーを取り入れることで、ベッド本体への毛の付着を防ぎつつ、汚れたらカバーだけを外して洗濯機で洗うことができます。頻繁な丸洗いが難しい大型のベッドを使っている場合にも適した対策です。
掃除しやすいマットやハンモックに替える選択肢もある
ふかふかのベッドにこだわらない猫であれば、布の面積が少ないハンモックタイプや、ツルッとした質感のウレタンマットなどを検討するのも一つの選択肢です。ハンモックは床から浮いているため周囲の掃除機がけがしやすく、通気性にも優れています。愛猫の好みや寝姿勢に合わせて、ベッド以外の寝床も比較検討してみてください。
猫ベッドで毛がつきにくい製品を選ぶときの最終チェック
最後に、購入前に確認しておきたいチェックポイントを整理します。
サイズは猫の体格や飼育環境に合わせて選ぶ

手入れがしやすい機能的なベッドを見つけても、サイズが合っていなければ猫は使ってくれません。猫が丸まったときに少しゆとりがある程度のサイズを選ぶのが基本です。(※体格や寝方には個体差があります)また、多頭飼いや犬と同居しているご家庭では、「犬 ベッド 毛がつきにくい」「ペットベッド 毛がつきにくい」といった視点で、兼用できる広めのラウンジタイプを選ぶのもひとつの方法です。耐久性が高くゆったりとしたサイズであれば、ペット同士が寄り添ってくつろぐ心地よい空間を作ることができます。
手入れのしやすさと猫の好みの両方で判断する
抜け毛の掃除を楽にしたいという飼い主の希望と、安心できる場所で眠りたいという猫の習性。この2つのバランスを取ることが、最適なベッド選びのポイントとなります。「毛がつきにくい素材」「洗いやすさ」といった機能面を確認しつつ、愛猫が警戒する音が出ないか、好みの寝心地に合っているかを総合的に判断しましょう。
愛猫の個性に寄り添いながら、飼い主の負担も軽くしてくれる上質なペットベッドやラウンジを選ぶことで、家族みんなが心地よく過ごせる豊かな暮らしを実現してください。ご検討の際は、ご自宅の環境に合うか確かめるため、購入前にトライアルや返品の条件を確認しておくこともおすすめします。

ー監修者ー
村田アグネス彩(むらたあぐねすさや)株式会社ワンコ・ワークス 店長。現場での経験をもとに、「犬にとって本当に負担にならないか」「暮らしの中で無理なく使い続けられるか」という視点で、犬関連商品の監修に携わっている。